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地帝はポケットから小さなビンを取り出し水帝に渡した。
中にはいくつかの粒が入っている。
「光帝に貰った精神安定剤。
君が炎帝に飲ませなよ」
「何で私なのよ!
あんたが飲ませればいいじゃない!
そもそも私の薬が炎帝の精神をおかしくしたって言うの!?」
怒りだした水帝に地帝は短くため息をはいた。
そして冷たい目線を送る。
「だから君のせいでああなったんだろ。
それにあれが正常だとでも?
速くしてくれよ。
炎帝を止めているのは君たちが思ってるより疲れるんだ」
「あれに近づきたくないわよ!
砂で口にぶちこめばいいじゃない!」
よほど近づくのが嫌なのかまだ諦めない。
雷帝が小声で往生際悪すぎだろ…と溢していた。
「水を使えばいいじゃないか。
はぁ…何で君が水帝なのか分からないよ」
地帝の言葉に水帝はとうとう限界に達する。
「分かってるわよ!
やればいいんでしょ!やれば!」
水帝はビンの中から精神安定剤を一粒出すと、水で覆い、炎帝の口まで飛ばした。
真っ直ぐ炎帝の口に入った精神安定剤はものすごい力を発揮し、十秒足らず、炎帝は大人しくなった。
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