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――俺は、死ぬのか。
気が付けば、少年は雪原の中に倒れていた。
自分の周りには、キメラと呼ばれる怪物たちが原型を留めないまでの肉片となって散らばっていた。
真っ白な雪原に、ポツポツと、白紙に赤い絵の具を溢したように。
そして、その点々と雪原に存在する肉片も、降り続ける雪に瞬く間に埋もれ、白に塗り潰されてゆく。
無論、それは少年はも同じ事。
少年の身体も、見る見る内に雪に埋もれ、雪原を構成する白の一部と化していく。
少年の視線の先に居る、1人の少女もまた――
「……しず…る…」
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