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その形が何であるかは、
セフィロ国、
王家の国王と次期国王、
他はその側近しか知らない
秘匿されたモノ。
15年前に一度、
失われてしまったそれを
探し出す事を
レベルは次期国王の務めとして
常に負っていた。
しかし、
「この辺にあるって予測がついても…“器”そのものが動くなら当てにはならないしね…」
どこか投げやにも
聞こえる言葉を
のんびりと
困った溜め息交じりに
レベルは口にする。
「そんな物に頼らなくてはならない国なら…私は要らないのにね…」
ぽつりと呟く本音の一言。
“次期国王”である筈の彼の
長年、思い続けている本心。
「まぁ…“必然”ならその内、出逢うかな?」
大通りの端に寄り、
通り過ぎる馬車をやり過ごして
北の地の空を見上げ呟く。
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