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北の地では短か過ぎる春が
終わりかけの季節。
大勢の人々が暮らす王都フセル。
王宮から南に抜ける大通り。
そこが―――
「うわッ!!」
「え…?わッ!!」
突然、レベルにぶつかって来た、
一人の少年。
「ごッ…ごめんなさいッ!!」
直ぐにぶつかった事を
レベルに謝り、
そのまま離れて行こうとする
その小柄で
淡い栗の髪の少年の腕を
「待った」
しっかりと捕らえるレベル。
「これは私のじゃないよ」
ぶつかった瞬間に
上着の小物入れ部分に
入れられた金の髪留めを
取り出し少年を問い質すレベル。
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