§記憶§

5/14
前へ
/30ページ
次へ
  「あ?」 「その子の持ってるリンゴは僕があげた物です。おじさんの店のリンゴじゃない」 子供の持ってるリンゴを示して ハッキリと告げる。 「大体、おじさんのお店にはこんな大きなリンゴなんて置いてないでしょ?」 「ッ…!!」 「野菜や果物とかは大きさで税が違うんだよ。その子がそんな大きなリンゴを持って役所に行って、おじさんのお店は大丈夫なの?」 立て続けに指摘してくる 少年の言葉。 子供を捕まえたままの店主は 悔しそうに少年と子供と その手にある 自分の店の物ではないリンゴに 目を落とす。 「だったら、んなもん後ですり替えりゃ…」 「やッくにんさーんッ!!ここに商品、誤魔化して商売してるオッチャンがいるよーッ!!」 「ッ!!」 突如、頭上から上がった大声に 少年と店主は上を振り仰ぐ。  
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加