ガラスの城

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少女は話題を変えようと、 「ところでここは別世界?」と人魚に尋ねました。 人魚は 「別世界じゃないけれど、守護られているところ。 食べ物もあるよ。」と言って、 林檎の樹から実を採って降りてきました。 「禁断の果実?」と少女が言うと、 「そうそう。知恵の実。 食べようよ。少し賢くなるかも。」と、 林檎の実を少女に渡しました。 「美味しい。」と少女が言い、 「うんうん。」と人魚もサクサクと食べました。 人魚は 「他にもベリー系とか柑橘類とか、 いろいろあるから、またあとで食べようね。」 と言い、草の上に横になりました。 少女も横になり、空を見上げ、 「太陽が大きい。 暖かい。気持ちいい。 風も涼しい。 すごくいいところだね。 本当の楽園?」と人魚に話しかけました。 「だと、いいんだけどね。」と、人魚。 「アダムもイブもいないの。 たまに来るにはいいけど、住むには適さない。」 少女は「そんなもんかな?」と思いながら、 日光浴を楽しんでいました。
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