36人が本棚に入れています
本棚に追加
少女は話題を変えようと、
「ところでここは別世界?」と人魚に尋ねました。
人魚は
「別世界じゃないけれど、守護られているところ。
食べ物もあるよ。」と言って、
林檎の樹から実を採って降りてきました。
「禁断の果実?」と少女が言うと、
「そうそう。知恵の実。
食べようよ。少し賢くなるかも。」と、
林檎の実を少女に渡しました。
「美味しい。」と少女が言い、
「うんうん。」と人魚もサクサクと食べました。
人魚は
「他にもベリー系とか柑橘類とか、
いろいろあるから、またあとで食べようね。」
と言い、草の上に横になりました。
少女も横になり、空を見上げ、
「太陽が大きい。
暖かい。気持ちいい。
風も涼しい。
すごくいいところだね。
本当の楽園?」と人魚に話しかけました。
「だと、いいんだけどね。」と、人魚。
「アダムもイブもいないの。
たまに来るにはいいけど、住むには適さない。」
少女は「そんなもんかな?」と思いながら、
日光浴を楽しんでいました。
最初のコメントを投稿しよう!