ガラスの城

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『邪悪』は、 一瞬だけ、少女の姿を見ました。 けれど、すぐに見えなくなってしまい、 『あと少し、ほんの数秒、時間があれば、 追いつく事が、 つかまえる事ができたのに…』 と思い、もう一度、横になりました。 少女と人魚は、 「眠るのがダメだときついね。」と、 今後の事を話し合いました。 少女が「夢の中でも、この着物を着ている訳にはいかないの?」 と人魚に尋ねました。 人魚は 「夢の中で作っている、その間、 隠れることが出来れば、 なんとかなるかも…。かも、だよ?」と言い、 「ちょっと待っててね。」 と、湖に飛び込みました。 しばらくして、 大きな袋にたくさんの繭をもって戻ってきました。 「半日だけ、パパに守りを頼んできたから、 その間に夢の中で編もう。 これは夢の中に持っていけるよう、 魔法かけてきたから。」と言い、 「これ、半日眠れる薬。 よく噛んで食べてね。」と言って、 小さな種のようなものを、少女に渡しました。 少女は、 「すごい硬いね。」と言いながら食べました。
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