36人が本棚に入れています
本棚に追加
銀色の髪の、
銀色の瞳の少年は、
『水晶』に映し出された
少女と人魚を見つめて微笑みました。
「やっと見つけた。」
「あの人魚、喰ってやる。」
と、独り言を言いました。
少年の目的は、少女ではなく、
人魚のほうでした。
少年と少女は、幼い頃に
一緒に遊んだことがありました。
二人は双子のようにそっくりで、
とても仲がよかったのですが、その時に
少女の『夢』を覗いて、
人魚の存在を知りました。
そして少女の、
少年との記憶を消して、
少女とは、離ればなれになりました。
そして、『水晶』と『鏡』を用いて、
ずっと少女を見つめてきました。
その頃、少女と 人魚は
浮き島の草むらで眠っていました。
せっかく編み上げたケープですが、
少年の透視力には及びませんでした。
少年は、少女と人魚を見つけたものの、
二人がいる浮き島に行くのに、
どうしたらいいか迷いました。
最初のコメントを投稿しよう!