ガラスの城

18/26
前へ
/26ページ
次へ
銀色の髪の、 銀色の瞳の少年は、 『水晶』に映し出された 少女と人魚を見つめて微笑みました。 「やっと見つけた。」 「あの人魚、喰ってやる。」 と、独り言を言いました。 少年の目的は、少女ではなく、 人魚のほうでした。 少年と少女は、幼い頃に 一緒に遊んだことがありました。 二人は双子のようにそっくりで、 とても仲がよかったのですが、その時に 少女の『夢』を覗いて、 人魚の存在を知りました。 そして少女の、 少年との記憶を消して、 少女とは、離ればなれになりました。 そして、『水晶』と『鏡』を用いて、 ずっと少女を見つめてきました。 その頃、少女と 人魚は 浮き島の草むらで眠っていました。 せっかく編み上げたケープですが、 少年の透視力には及びませんでした。 少年は、少女と人魚を見つけたものの、 二人がいる浮き島に行くのに、 どうしたらいいか迷いました。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加