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朝になって目覚めた
少女と人魚は、
場所を移動することにしました。
取りあえず果実を採ってきて食べてから、
『鏡』を使って人魚の知っている空間に移りました。
シャボン玉を大きくしたような、
空中に浮かぶ、コロニーのような場所です。
『夢をみたの。あなたとそっくりな少年の悪意。』
と人魚は少女に話しました。
『どんな感じ?その少年の夢は見たことあるけれど、
懐かしい感じがして、
悪意までは感じとれなかったけど…』
少女は少年から逃げているにもかかわらず、
悪意を否定しました。
人魚は
『たぶん、だけど、
人魚を食べようと思って追いかけてくる人達の
悪意に似てる。』
『何で食べたいのかな?
不老不死になってどうするのかな。
みんなが死んでいなくなった後、
ずっと年もとらずに生きていて
何か楽しいのかな。
みんな死ぬ迄に
何かをクリアするために生きているのに…
ずっと立ち止まったままじゃ苦しいんじゃないかと思うけど…』
と少女は不思議に思いました。
人魚は、
『欲、だと思うけど…
いっぺん食べさせてみようかな?
それが、どんなにつらい事か、
解らせてやりたいかも。』
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