36人が本棚に入れています
本棚に追加
少女と人魚がくつろいでいると、
いきなり少年が部屋に入ってきました。
「どうやってここまで来たの?」
「どうして追いかけてくるの?」と、
少女と人魚は口々に質問しました。
少女は不思議な事に、
急に幼い頃の事を思い出しました。
あの、とても仲良しだった、
とても優しかった少年の事を…
「そいつから離れろ。」と、少年は少女に言いました。
少年の手にはナイフが握られ、
人魚を睨んで、近づいてきます。
人魚は、あえて、逃げずに、
その身を差しだしました。
「食べたいなら食べていいよ。」
と言いながら、元の、
人魚の姿に戻りました。
そして、おとなしく、少年に、肉を切らせました。
少年は、すかさず食べました。
「けっこう美味しいじゃん。」
と言ったあと、気を失いました。
少女は『本当に食べさせちゃったの?』と、
人魚に尋ねました。
人魚は、
『うん。運が強ければ不老不死。
運がなければ、このまま眠って起きない。』
最初のコメントを投稿しよう!