ガラスの城

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少年は目覚めませんでした。 人魚は『これだけ強い人だから、 しばらくしたら目覚めると思うんだけどね。 でも、どうやってここまで辿り着いたのかな。』 少女は、子供の頃の事を思い返していました。 (いつもいつも一緒にいて、 自分を守ってくれていた少年。 どうして忘れていたのか。 一緒にいたら、人魚に会えなかったかもしれないのか。 今がどんなに大切な時間か。 自分とそっくりな少年、 髪や身体の色以外、双子のような人魚。 今、ここに、3人揃っている。 たった3人だけで、この部屋で。) 少女は人魚に尋ねました。 『私にも食べさせてくれる?』 人魚は『いいよ。』と答えました。 『そう言うと思った。』 そして、少年の持っていたナイフで、 肉を切りました。 少女は『ありがとう。』と言って、 人魚の肉を食べ、そのまま気を失いました。
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