ガラスの城

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気を失ってから3ヶ月目に、 少年は、目覚めました。 人魚は「あり得ない。」と言っていましたが、 少年は『不老不死』の身体になっていました。 ナイフで身体に傷をつけても、 直ぐに元に戻り、痕も残りませんでした。 少女は「憶えてる。」と、 少年の手を離さずに、 泣きじゃくっていました。 「わたしも食べたの。あなたが、 ずっと独りで『不老不死』だなんて、 辛すぎると思って… 2人なら少しは、ましかなって思ったの。 迷惑だった?」 と少女が告げると、 少年は 「長い間ごめんね。 目的を遂げるまでは離れていたほうがいいと思っていた。 でも君の事が心配で、 ずっと目が離せなかった。」 「目的って?」と、 人魚と少女は問いかけました。 少年は 「人魚の研究。 不老不死になったのなら、 時間はいっぱいあるし、 君がいてくれるなら心強い。」 人魚は、「研究って解剖とか?」 と少年に尋ね、 少年は 「いや。生態調査っていうか、 例えば、どのくらい生きるのか、 とか、いろいろ。」 「解った。」と人魚は 「じゃあ、2人でお嫁さんになろう。 人間の子供と人魚との子供、 両方授かりますように。」 2人の会話を聞いていて、 少女は、赤くなったり青くなったりしていました。
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