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藤「井本ー?おーい、来たでー」
井本から家に来いというメールがあり、面倒くさいなぁと思いながらもコンビニに行ってプリンを買ったりして、若干楽しみにしていた。
なのに、鍵は閉まってる、電話をかけても出ない。
藤「ま、合い鍵あるからかまんけどー」
前に貰った合い鍵を使い、入る。
すると、中には子供がいた。
藤「…え」
「あ、藤原!!!」
知らない子供が何故か知っている俺の名前を呼ぶ。
だが、名前なんかよりこいつの正体が気になった。
藤「(え、ここ井本の家やんな?合い鍵使ったし。…じゃあやっぱこいつ…井本の子?いやいや、井本に限ってそんなん…でも顔といい、肌といいそっくりや)」
クイクイ。
藤「え?な、何?」
「俺誰か分かる?」
藤「あの、井本貴史の子供…?」
「はぁ…」
子供に思いっきりため息をつかれました。
「この写真見ろ」
藤「(見ろって命令かよ)…あ、井本の写真や…可愛いなー」
「可愛いとかどうでもええから」
藤「(生意気なガキやな)で?」
「分からん?」
藤「…何も。そっくりとは思うけど」
「…藤原は信じてくれる思ってたんに」
藤「…は?」
「俺、ちいちゃなった」
藤「ちいちゃなった、って元々やろ?」
「ちゃうよ!!昨日一緒に仕事してた井本貴史や!!俺、井本や!!!」
藤「…」
写真の井本と目の前にいる子供を見比べる。
目、鼻、口全て同じ。
唯一違うのは髪型。
藤「…井本?」
貴「やからそうやって言ってるやろ!!!あぁ、腹立つなー!!」
藤「…」
何がなんだか分からない。
が、とにかく井本が浮気しているようでは無いから安心した。
藤「って安心しとる場合ちゃう!!」
貴「は?」
藤「何があってそんなんなったんや!?」
貴「知らん」
藤「…知らんて」
貴「あ、プリンや、頂戴」
手に持っていた袋の中を確認したのか、プリンだけ奪ってリビングに行った。
藤「訳分からん…」
突っ立っているのもあれだと思い、部屋にあがる。
貴「うっまー!!やっぱプリンうまいわー」
藤「(味わってないやろ)」
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