1-2 僕は桜を見たかった

2/5
前へ
/14ページ
次へ
 夜食になるので贅沢せずにおにぎりとお茶だけ買った。  というのもお弁当の陳列作業はまだ終わってなかったせいだが、がつがつと家でゆっくり食べれないのでいいだろう。  これから噛みしめるのは食する時間より、隣にいる女子と過ごす時間にある。  コンビニ近くの公園。街頭の下にある木製のベンチに腰掛けた。  クラスの座席の隣同士ぐらいの距離をとって座った。二人の間に買ったものを置く。  准の夜食、朋奈はお菓子。サラダ味のプリッツにフルーツゼリーと深夜に摂取するのを控えめに考えているらしい。  まだ初対面のような感じの二人だったけど、共有出来る話題がすぐ見つかった。 「久石さんもこの公園でよく遊んでたんだ」 「うん。小さい頃はここから近くのマンションに住んでたの。だから親と一緒によく遊びに来ました」  准と朋奈は小さな子供の頃に遊んだいまいる公園の昔話をしていた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加