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ひとりの少女が路上に座っていた。まず、そう見えた。
あたりが暗いので視界にはいっても近づかないと気づきにくかった。
コンビニには駐車スペースがあるのだが、そこにある車止めのコンクリート塊に座っている。
その少女の淡いピンク色の上下のパジャマを着ているのが目立っていた。
准は自分と変わらない歳に見える少女に、そんな薄着で深夜に遭遇してしまったことに胸がどきまぎとしていることに慌てる。
パジャマ少女、と准は胸中で呼称した。
(じろじろ見たら怒られるよね。目を逸らして普通に通り過ぎよう)
相手が見た目はパジャマ少女でも、こわいヤンキーだと想像することで必死に目をさける。
……なんとなく、じろじろとこっちは見られているような視線を感じても、目を合わせずに准はコンビニの中に入ることができた。
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