1-1 夜のコンビニと少女

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 でも相手はそんな准を気にとめずに訊いてきた。 「もしかして、鈴倉くん?」 「えっ、そうですけど……、」 「あたし、久石朋奈です。同じクラスなんですけど気づかなかったかな?」  久石朋奈(ひさいしともな)はずいっと、准を見上げるようにみつめてくる。  いきなり縮められた距離に准もとっさに動けなかった。  今度は明るい照明の下で、その少女を目に焼きつけるように瞳孔が開いていた。  朋奈は肩まであるショートヘアの茶髪で、おでこを出すように前髪は短い。  小さい背丈とあってこどもっぽいかわいさがあった。  さっきまで夜中にいたときにそんなことは思わなかったのに、全体のシルエットがわかるとその少女は幼い印象であった。
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