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幾つかの肥料を手渡され、祖母の後について肥料撒きを開始したのは、太陽が真上に存在する、一番厳しい時間帯だった。
暑さのせいもあるだろうが、きっと一番の理由は咽る程のこの花の香り。
何度も押し寄せる目まいを振り払い、馨は祖母の後に従って手伝い続ける。
いつもなら、もうやってられないと投げ出すのだが、離れたいと思う反面、離れたくないとも思う。
もうすぐ、届に行くよ――デリーラ
そう頭の中で声がする。
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