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人が集まる場所を都会と表現するならば、馨が今いる場所は都会より少し外れた場所。
郊外と言った方が適切かもしれない。
都会の真中にいなくても、生活に困ることはない。
むしろ、必要以上に人と関わらない為、ストレスとは無縁になるのかもしれない。
しかし馨にとっては祖母がストレス要因だったりもするような、違うような。
そもそも母親が馨を連れ父親の元へと行けば良かったのか、それを言うなら馨が日本語以外が話せないのがいけないのか――今の馨の状況、そこに至った理由をあげていけば、きりが無い。
だけど、最終的の問題は馨自身になるだろう。
高校は全寮制、これで母親も安心して残していけるわ――と、娘ひとりを日本に残して出国したのも束の間、鬼の居ぬまに洗濯ではないけれど、直接の監視の目が無くなったのをいいことに、好き勝手。
寮長では手に負えないと、保護者代わりの祖母の方へ連絡が入る。
そのまま祖母の権限で転校、そしてこの屋敷に同居することになった。
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