プロローグ

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「そう。その人のことを思うでしょ?」 「その人に関する何かを見たり聞いたりするたびに思い出すね。何度も」 大学生にまでなれば、実際にそんな思いを抱いたこともある。 当然、今でもそれは続いている。 「それはその人が生きている姿があなたの中に残っているからよ。ね?そこに存在してるじゃない」 ああ、たしかにそうだ。 なんとなく彼女の言う意味がわかってきた気がする。 彼女の言う本当の死……それは時を経て皆の『記憶』から徐々にその存在が薄くなり、そして後に完全に消え去る瞬間が訪れた時だ。
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