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敵は1、2…10人である。動きから見てかなり腕のある者たちらしい。少し厳しいな。そう感じたが、僕だって軍人だ。容易くやられるわけにはいかない。
リーダーらしき者が、軽く腕を振るうと、他の者たちが襲ってきた。
速い!だが、対処できないほどではない。
正面からきた剣をかわすと、左右からの剣撃を避け、背後からきた剣を切り上げ素早く鎧の関節部分にある空洞を狙い斬り抜く。
後方で重低音がしたのを確認しながら周りの状況を瞬時に読み取る。
左右から一人ずつがきている。後方は僕が切り倒した者が邪魔で少しの猶予がある。それまでに二人を倒す!
左からくる者の剣にあわせ剣を振り上げ、拮抗させると相手の右手を左手で掴み捩りあげながら素早く体勢を逆転させる。後ろからは渾身の一撃喰らわそうとした剣が振り下ろされていた。
高そうな鎧も、その一撃には耐えられず主人の頭部に深く食い込んでから止まった。
剣を抜くのに四苦八苦している者を尻目に、僕は残酷なまでに的確な一振りを浴びせた。
糸がぷつりと切れたように倒れる。これで三人だ。
まだ息切れはしていない。大丈夫。余裕だ。この程度の相手にやられるほど戦場で楽はしていない。
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