7月-side A-

2/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
『ジィーー!ジィーーー!!』 何処かで蝉が鳴いている・・・ こんな暑い日にも元気なものだ・・・ もうすぐ7年振りに彼女と再開できる。 天涯孤独の私にとって、彼女は私の全てだった。 彼女もまた私を愛してくれた。 7年経った今でも彼女への愛は薄れていない。 どうして別れてしまったのか・・・ やはり私が悪かったのだろう・・・ 手紙で待ち合わせ場所と時間を指定して呼び出した。 《やり直したい・・・出来ればまた一緒に暮らしたい》という想いも込めて・・・ 来てくれないという不安は不思議となかった。 想いを巡らし時計を見ると約束の時間の7分前・・・ 『久しぶりだね・・・』 あれから7年・・・ 彼女との再開を蝉の声が祝福してくれていた・・・
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!