第1章~動き出す時間~

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「さて、行くか...。」 空のように透き通った薄い青髪の青年、レイドは剣を肩に掛け、滋養強壮剤(アップルグミ)などが入った革袋を腰に付け、外へと出た。 僕の名前は、レイド・ナインツ。歳は18才。両親は、僕が産まれてすぐ亡くなったらしい。だから、オレは父さんと母さんの顔をしらない。今は、オレを引き取ってくれたマッドじいちゃんの家で暮らしている。本名は、マッド・ヴァイン。昔は、有名な猟師だったと村の皆は言っている。確かに、剣術は凄い。<ガイスト>と呼ばれる化け物が、この世界(バーンセント)には存在する。村の周りにもガイストは存在するが、それほど強くない狼のようなガイスト《ヴァインドウルフ》や、巨大なヒマワリのガイスト《オーガニスト》くらいしか見たことがない。それをじいさんは、剣を一降りしただけで倒していた。僕でさえ、遠距離から剣圧を飛ばす《魔神剣》を駆使しなければ倒せない。家事も一人でこなすし、優しい。僕もこんな風になりたいと思って、剣を習い始めた。そして、今日も海岸近くの森へ修行へ行くところだった。
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