第1章~動き出す時間~

5/5
前へ
/281ページ
次へ
「じいちゃーん!!彼女、眼を覚ましたよー!!」 レイドは部屋に入るなり、大声で言った。 「そんな大声で言わなくても、わかっとわい。」 白い毛が少し混じった髭をいじりながら、老人とまではいかない中年の男性が言った。 「はじめまして、セレス・ガガートと申します。助けていただきホントにありがとうございました。」 セレスは、礼儀正しく礼をして言った。 「ワシは何もしとらんよ。名前はなんていうんだい?」 「セレス・ガガートっていいます。」 頭を上げ、セレスは言った。 「セ..レス・ガガートじゃと?」 マッドは驚愕の表情を浮かべた。 「ハイ...」 二人は何かを知ってるようだったが、レイドにはわからなかった。そのとき、 ドーーーン!!! 外から大きな爆発音が聞こえてきた。 「な、何だ!?」 「見つかってしまったか...。」 マッドはそう言い、壁に立て掛けてあった大剣を手にとり、ドアの方へ向かった。 「レイド!!その子を連れて、逃げろ!!」 「じいちゃんは!?」 心配そうにレイドが言う。 「ワシなら大丈夫だ!いいか、ここから西の(ヘルデナンド)を目指せ...。そこにいる、ハディという者に会うんだ。いいな?」 諭すように言い、ドアを開けた。 「はぁぁぁぁ!!!」 マッドは、外にいたガイストを薙ぎ払った。 「さぁ、行くんだ!!」 「じいちゃん...くっ!!」 悔しい思いを押し殺し、レイドはセレスの手を引き、走った。
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加