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「ちょっ…待って!どこ行くの!?」
腕をすごい力で引っ張られ理伊はどんどん出口まで連れ去られ外へ出た
振り払おうと試みるも無駄のようで
(す…ごい力、確かに男の子だ)
そう呑気に考えた理伊だったけど何も話さない詩樹が怖くなり駐車場に居るはずの希一を探した
が、どこにも居ないどころか車さえなかった
(あのバカ兄~!!)
心底希一を恨んでいると理伊はいつの間にか入る時に見た高級車の前まで連れてこられ、あっという間に車に押し込められる
拉致監禁!?ってゆうかこの車この人のだったの!?
「とりあえず出して」
理伊の問い掛けに一切答えなかった詩樹は運転手にそう言ったかと思えば
「はぁ~」
さっきのトイレのように頭を抱えて重いため息をついた
理伊にはまだ状況が飲み込められずにいる
でもこの時仲詩樹の落胆ぶりからして―――――
時仲詩樹は正真正銘男で、だけど学校には女として通っている……………
この考えに辿り着いた
普通に考えたらありえないけど、他に思いつかなかった。
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