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「あの…別に人の趣味?にとやかく言うつもりないし、そんな落ち込まなくても…」
あたしが口を開くと詩樹は驚いた様にこっちを見た
「いや、趣味でやってんじゃないんだけど…
事情を話すよ…頼むから誰にも言わないでほしい」
真剣なその表情からただならぬ事情があるんだと察した。
あたしは返事をして、あまり遠くに行かれては困ると近くの運動公園へと入って貰った
「連れがいるから、ちょっと電話して来ていい?」
「あぁ…うん、ごめん」
あたしは一度車から降りて希一に電話を掛けた。
『あ、理伊?』
「ちょっと希一!車まで持ってどこ行ったのよ!?」
『わりぃ!近くでツレが集まってるってゆうからちょっと顔出しに来てる、もうちょい待ってて!』
「信じらんない…まぁいいや、今あたしも友達に会っちゃったからまた戻るとき電話する」
『了解~』
電話を切って、あたしは再び深呼吸して車へと戻った
相手は正体不明とは言え同じ高校の生徒だ
そこまで怖がる事はないだろう、と言い聞かせて
――――――
車に戻ると運転手さんはどこかに消えていた
この人も焦っていたさっきより落ち着いていてあたしが乗り込むと缶ジュースを手渡してくれた。
「いきなり連れ去ってごめん、えぇと…何から話そうかな」
「少し時間出来たから、ゆっくりどうぞ」
「うん、ありがとう」
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