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「彼氏さんは…?」 「今から来る。お願い…助けて。」 「………」 私は無言だった。 助けて、ってよくわからない。 ――――ガラッ― 教室のドアが開いて琉風ちゃんとその彼氏らしき人が教室に入ってきた。 確かに怖い… 琉風ちゃんの彼氏は私たちに近づいてきた。 実緒くんは私のワイシャツを少しつかんだ。 「やめてください!」 私は叫んだ。 「殺すって何が気に入らないんですか?」 琉風ちゃんが駆け寄ってくる。 「ただ好きな人がいた…今は諦めたんだからいいじゃないですか。」 なんか偽善者っぽい… …自分で言っちゃった。 ターゲットが実緒くんから、私になることを薄々察する。 何され…… 「俺…殺すなんて言ってません。」 ……………ん? 琉風ちゃんの彼氏は小声で真面目に言った。 「え…と…」 「ただ琉風に、もう近づいて欲しく…なくて。…それだけ…です。」 ……私は固まった。 拍子抜け。 「じゃあ…これで。すいません。」 琉風ちゃんと彼氏は教室を出て行った。 「あ、ごめんね。俺…」 「私が1番ばかみたいじゃないかよ!真面目に言っちゃて…」 「本当にごめん…」 「まぁいいけどさ。」 私は笑った。 なんかホッとして笑えた。 「俺さ…好きです。」
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