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「いいよね、青春!」
私はわざと笑いながら言った。
「もう、あいつはいいの?」
あいつ……
私の記憶から消したくても消したくてもいなくならない、あいつ。
消したいと思えば思う程、私の記憶から離れなくなるあいつ。
でも、もう私の記憶の中にしかいない………あいつ。
「いいよ?てか、もうとっくに忘れたし~」
早くこの話題を逸らしたい。
この悲しみに溺れたくない。
いや、この悲しみに向き合いたくない。
「嘘、下手じゃね?」
なのに……
真面目に言わないで。
答えを待たないで。
嘘も、本当も、下手も、上手いも。
私には何もないよ。
あの日から
“俺たち出会わなかったことにしよう”
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