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久世先輩の腕が力無く岩から離れ、流され始める。
「先輩っ!」
流水が咄嗟に久世先輩のシャツを掴んだ。
久世先輩は意識を失っているみたいで。
私も流水も、捕まえているのが精一杯で。
久世先輩が……溺れてしまうかも知れない。
そんなのは嫌だ。
怖いよ……誰か助けて……。
どうしたらいいの。
私には何が出来るの。
2人を助けたいのに、方法が見付からないよ!
川の水流は、容赦無く流水と久世先輩を連れ去ろうとする。
少し先には、釣り場からは見えなくてある事に気付かなかった滝がゴウゴウと音を立てていて、私の頭は恐怖で一杯だった。
なのに――。
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