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「流ぅ水ぃーーーっ!!!」
私は絶叫した。
私の声を聞き付けた久世先輩が、走ってきた勢いをそのままに川に飛び込む。
「先輩! 流水を助けて!
流水はっ、泳げないの!!」
お願い、お願い、お願い!
流水を助けてお願いだからっ!
泣き叫びながら、2人を追って川辺を走る。
やがて久世先輩は流水を捕まえ、岸に向かって泳ぎ始めた。
岩に掴まり、水流に逆らって腕の力だけで流水を岸に引き寄せる。
私は、流水の腕を掴んだ。
久世先輩が流水を押し上げようとした時――。
「先輩危ないっ!」
水音に掻き消されてしまった声。
流木が、久世先輩を直撃した。
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