第一章 呼び出し

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……告白された。 そう認識した途端、急速に顔が火照り始めたのが分かった。 「……桜井君?」 そんな俺の様子を見て、呆気に取られていた池田さん。くすりと微笑むと今度は落ち着いた声で話し出した。 「そんなに驚くなんて、一体何の呼び出しだと思ってたの?私、てっきり告白だと分かった上で期待させないように冷たくしてるのか、昼休みを邪魔されて怒ってるかのどっちかだと思っちゃったよ。」 言い終えて笑顔で俺を見上げる池田小夏。まだほんのり染まっている頬、低めの身長に、柔らかそうな髪。大きな潤んだ瞳に見つめられて、今更ながら彼女がかなり可愛いことに気付いてしまった。
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