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「…何のって、そりゃ決まってるだろ……」
「決まってるの?」
「…!あ、いや決まってないよ。なんでもない…」
何か話さなければと思い余計なことを口走りそうになった。危ない…
「…で、お返事は?」
少し和やかになったからか、彼女が最初の元気を取り戻しかけた調子で尋ねる。
「え…?あ!あぁ、ごめん、すぐには考えられないや。」
全く別の話を予想してた俺にはそれが精一杯の回答だった。
「…そっか、じゃあコレ…」
そう言って彼女は紙切れを手渡してきた。開こうとするとその声が大きくなった。
「まずは友達になってください!!コレ、私の携帯だから絶対連絡ちょうだいね!それじゃ。」
最後の方は駆け出しながら言い終えると、池田小夏はスゴい速さで走り去っていった。
陸上部かな…?
ぼんやりと考えながら手の中に残された紙切れの感触を確かめた。
もう一度開いてみる。小さめのキレイな文字が並んでる。可愛い子だったな…
まぁとにかく、嫌な予感は外れて良かった。
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