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「…彼女、なんだって?」
「え…?…あぁ、告られた。」
教室に戻るとすっかり昼食を食べ終わった春樹がマンガを読みながら尋ねた。
「で、どうするの?」
「何が?」
「彼女と付き合うの?」
「まさかっ!今日初めて知ったのに?」
「…ふぅん?結構慎重なんだな、可愛かったのに。」
マンガに目を落としながら、半ば興味無さそうに言う春樹。
こいつのこういうところは一緒にいて落ち着く。きっと大体の高校一年生ならもう少し騒ぎそうなものだ。
可愛かったのに…か。でも俺と付き合うのは無理だろ。
「携番だけもらったんだけどな、どうしよ、コレ?」
さっきの紙切れを見せて春樹に問う。
「いいんじゃねぇ、メールくらいしても。」
紙切れを一瞥してさらりと言った。
「ところで何の呼び出しだと思ったわけ?」
「…えっ!?」
ぼんやりしてるかと思いきや、突然核心をつくような質問にドキリとする。
「え…あ…いや、なんでも…」
「…ま、いいけど。」
言葉を濁す俺をそれ以上問い詰めはしなかった。
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