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その子と目が会った気がして俺はぎくりとした。
「……今更いないことになんてできないよな?」
椅子の上で身を屈めながら春樹に問う。
「無理だよ。俺、いるって言っちゃったし。チャイムの後、先生と入れ違いで速攻来て呼んでくれって頼んできたんだから。」
「………。」
「何?知り合い?同中とか?」
「…全然。だって出身校同じやついねぇし。」
「…ふぅん?じゃあとりあえず行ってきたら?昼休み短いんだし。」
いつの間にか昼食のパンを頬張り始めた春樹が急かす。
逃げられない…か。
覚悟を決めて席を立つ。
「…じゃあちょっと行ってくるわ。」
ん、としゃべれない代わりに春樹は片手を上げて了解の合図をした。
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