嫉妬と涙と笑顔

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「ちえ、その問題できないの?」 前に座ってる 優香に聞かれた。 「ううん。千葉先生にやっといて?っていわれた問題を必死に解いてるの。」 「千葉先生に?!いいなー★ま、私はできるからいいんだけど!」 カチンときた。 できなくてごめんなさいね! できないから 教えてもらってるの。 握ってるぺんを 危うく折りそうになった。 「きゃー!!!千葉先生だ!」 クラスの人たちが騒ぎだした。 優香も振り向いた。 先生は後ろのドアの所に 立っている。 私は冷静を装って がんばって勉強している フリをした。 全然冷静じゃないのに・・・ スゴく嬉しかった。 「先生がこっちみて、手をふりかえしてくれた!もー!きゅんきゅんする!」 ズキッ・・・ 優香の一言だけで 傷つくなんて いつからうちも 単純になったんだろ。 しゃべらないで・・・ ドキドキなんてしないで・・・ 見ないでよ・・・ バンッ!!! シーン・・・ 静まってしまった教室。 先生がいるのなんて 気にしない。 「石川先生。授業を進めてください。」 石川先生は数学の担任だ。 男の24歳。 千葉先生と 4歳違う若い先生だ。 「わ、わかった。」 静まって授業に入った。 「ち、ちえ?どうしたの?」
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