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「廉。MGCの事は知ってるな?」
MGC。何故今その名前が。
「もちろんだ」
「そうか。じゃあ
MGMC
はどうだ?」
「MGMC?」
「知らないよな。当然だ」
「ちょっと待ってくれ。5年ぶりに会った俺に話す事は『マザーグース』の事なのかよ?」
「すまん。
でも
お前の命に関わる事なんだ」
「いの……ち?」
「まずMGMCの事を話そう。
Mother Goose Mixed Children
それがMGMCだ」
「…………MGCと何が違うんだ?」
「細胞適合者といえど細胞には、体には限界がある。一人につき、一種類の細胞しか組み込めない。
例えば犬なら犬。鳥なら鳥とかな」
「……うん」
「しかし細胞適合者の中でごく稀にだが、二種類の細胞を組み込める人間や、細胞ではなく、分子や元素を組み込める人間がいるんだ」
「はぁ……」
「実は『ワシントン聖戦』、あれを起こしたのは一部のMGMCなんだ」
「えっ……」
「MGMCは、MGCよりも身体能力も回復力も上だ。
でも厄介なのはそれだけじゃない」
「……なんだよ?」
「感染するんだ」
「?
感染?」
「そうだ。粘膜や傷口にMGMCが触れると
細胞適合者でない人間はMGMに、細胞適合者はMGCに変わる」
「……は?なん……だ、それ」
「恐ろしい能力だよ。5年前、たった9人のMGMCはそれで兵を増やし、
アメリカを潰したんだ」
沈黙が流れる。
「親父……
なんでそんな事知ってるんだ?」
「……廉。俺は、俺の仕事は
『マザーグース』の研究者なんだ」
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