覚醒

10/10
前へ
/96ページ
次へ
ガッシャァァン!!! 突然鳴り響いた大きな音で、男を襲っていたMGMが振り返る。 そこには崩れ落ちたティラノサウルスの全身骨格があった。 すぐそばに立っている廉は消化器を投げ捨て、小さなティラノサウルスの骨の破片を拾いあげた。 「覚悟しろよ……クソ野郎」 廉は笑みを浮かべると 破片を口にした。 ドクンッ! 「オ、オ、オ、オォォォォ!!!」 地の底から響いてくるような人の口から発せられたとは思えない叫び声。 廉が叫び声をあげると、体に変化が現れはじめた。 まず口元。元々八重歯があった位置からは鋭い牙が生えてきた。次に爪も鋭く伸び、硬くなった。最後に体にも異変が起こりはじめた。異常なまでに太くなったり縮んだりを繰り返した筋肉は、最終的に元の形に戻った。だが代わりに、尋常じゃない程に筋と血管が浮き出す様になる。 廉は、ティラノサウルスの細胞を持つMGCになった。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加