46人が本棚に入れています
本棚に追加
「いやぁ、いい事したね俺」
廉が満足そうに街を歩く。
見回すと辺り一面に広がる高層ビル、家々。
「……本当に、よくここまで持ち直したよな。すげーよ、人間って」
東京。ここはつい5年前まで大規模な混乱の渦中にあった。いや、東京だけではない。
5年前に、全世界は大混乱に陥っていたのだ。
先進国にして世界経済のトップ中のトップ、アメリカ合衆国の陥落によって。
今から10年前、2101年。
日本はアメリカの科学技術会社と提携し、史上最大、最高峰とまで言わしめる会社、
「マザーグース」を設立しアメリカに本社をおいた。
「マザーグース」は今までにない発明、発見を恐ろしい速さで積み重ね、数々の功績をあげていった。
しかし、その裏では凄惨な実験が行われていた。
人攫いにより被験者を集め、行われた実験。
細胞改造実験だ。
細胞適合者と呼ばれる少年少女達。
自分の細胞の他にもう一つ、新しく細胞を受け入れられる。そして細胞を自分のものにできる。彼らが若い年齢なのは激しい細胞変化に耐えられる体と回復力があるからだ。
生物兵器に改造されてしまった彼らの名前は絶対的細胞進化人間。
またの名を、MGC(Mother Goose Children)。
最初のコメントを投稿しよう!