第1章

6/14
前へ
/282ページ
次へ
「む、人にぶつかっておいてその言いぐさはひどいと思うんだよ」  そっちこそ妖精の言いぐさとは思えなかった。 「そっちがぶつかってきたんだろ 」 「うむ? それもそうかもしれないかも……。 まぁ、そんな細かいことは置いておこうよ」  そっちから言いだしたと思うのだが……、 妖精は案外記憶力が薄いのだろうか。 「うん、アイアムはセレーネ、アイアムはクレアートっていうキミたちの世界から見たら異世界、 というより夢の世界から来た精霊さんなんだよ、クレアートではエルフ、って呼ばれてる」  道端でであった人間が言っていたらただの頭おかしい奴だと思うが見た目が手乗りサイズの大きさなので妙に説得力がある。 オカルトを信じない俺がここまでなのだから他の人ならもっと信じてしまうだろう。 「アイアムは質問に答えたよ? でキミは――」
/282ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加