第1章

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 先生の人生何度聞いたか分からない夏休み前の注意を聞き流し、 あまり学校にいて先生にでも見つかったら成績についてとやかく言われることは分かっていたのですぐさま家へと帰る。 夏休みの遊びの計画はまたあとでメールでもすればいい。 夏休みに入ったという喜びで俺は思わず足が早くなっていた。 楽しい高校生活最初の夏休みを夢見ていたのかもしれない。 そんなとき、道にチョークのようなもので書かれた円、 そしてその円の中に何か不可思議な文字――魔法陣といった言葉が最も適切であろうか――が描かれていた。 「何だこれ?」  どうせ近所の子供のいたずらだろう、が、踏んで消してしまうのはかわいそうな位よくできていたので一応その魔法陣をよけて通ろうとした。 しかし、俺が横を通るとき、魔法陣が急に光りだした。そして、 「うわぁあ!」  声が聞こえたので思わず魔法陣の中を見ると、 ビュッ、と音がして俺の頭に何かがぶつかった。
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