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探偵事務所というのは、依頼がなければ、何もする事がない訳で、その日も所長はいつものようにうなだれ、僕は意味があるかわからない伝票整理をしていた。
黙々と仕事をこなす僕、暇を持て余し、所長はコーヒーを飲みながら謎の書類に目を通す。
そんな静かな事務所に一本の電話が鳴り響く。
電話自体は所長の机にあるのだが、この人はまず電話に出ないので、わざわざ僕が移動し、電話に出た。
「お電話ありがとうございます、宇治ヶ屋探偵事務所、綾垣がお受け致します。」
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