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「お電話代わりました、宇治ヶ屋です、はい。」
先程までのやる気のなさは何処へやら、お仕事モードの所長は着々と話を勧めていく。
「えぇ……そちらの都合さえよろしければすぐにでも……はい、はい。」
その間の僕といえば、出る幕なぞないので、ぼんやりと会話に聞き耳を立てるくらいだ、話ぶりからすれば、伺うのはすぐになりそうではあるが。
「はい、ではお伺いさせて頂きます、失礼します。」
どうやら話はまとまったようで、所長は電話を置く。
遠足の前日の子供のように、目をきらきらさせて僕に視線を向ける所長、琴線に触れるような話が聞けたのであろう。
「明日の18時、行く事になったから準備よろしく。」
僕にそう言ったが早いか、所長はお疲れと事務所を後にする、今日はお開きか、何はともあれ、久々の「お仕事」だ、明日に備えて、僕もゆっくりしておこう。
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