僧侶の手記

24/39
前へ
/80ページ
次へ
124 : ◆Vcef9xkjaI :2011/07/04(月) 16:30:37.35 ID:kJm+5Oklo 次の街までの旅が始まった。 次に出会う王はどんな人物なのだろう。 あの女王と懇意だったとあれば、人格者なのではないだろうか。 手紙と一緒に入っていた紹介状が役に立つと良いのだが。 魔物の強さが増して来ている。 更に、人形のものも増えてきた。 食料に余裕のある今はいい。だが、今後はどうなるのか。 考えるのが怖い。 街道の道すがら、壊れた馬車を見つけた。 壊れ具合を見るに、魔物ではなく野盗に襲われたようだ。 敵は魔物だけではない。 警戒のために二人一組で寝ずの番をする。 私と番をすることになった戦士がぽつりと言った。 『俺達は何のために戦っているのだろう』 私は答えられなかった。 勇者と魔法使いが番をしていた際、野党が現れたらしい。 相手は飢えていたのか、私と戦士が起きる前に苦も無く撃退できたとのこと。 だが、魔法使いは精神的に辛いようだ。 炎の魔法で焼いた相手の悲鳴が耳から離れないらしい。 今は薬で眠らせている。 彼女を落ち着かせるのに必要なものは、神の言葉や祈りではなく、人の作った薬と時間だけだろう。 自分の存在意義を疑問に思う。 2度目の野党の襲撃。 相手は農民崩れなのか、鍬や鎌を手に持ち襲ってきた。 メイスで殴りつけたときの感触が手から離れない。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1453人が本棚に入れています
本棚に追加