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さっきの奴等にはそれらしき事言ったのに自分には言わずに去ろうとしてるから怪しんだのか、それともただ疑問に思っただけなのか…
まぁどっちにしろオレには興味ないけどね。
柚「なに、口止めして欲しいの?」
「……」
逆に聞けば黙った赤髪。
ハイハイ、そんな眉をしかめなくても言いたい事は分かってるっつーの。
柚「アンタは口外しない。必ずね。」
フフと笑って言えば、赤髪はオレの核心めいた言い方に益々眉間に皺を寄せる。
「……、んなの分かんねェだろ」
柚「分かるよ」
間髪入れずに反論してやる。不良とかって、こーゆう言い方されたらイラつくんじゃない?だから敢えてしてみた。したら案の定少し空気がピリッとなった。
やっぱり不良って短気なんだ。
うん、良いこと知れた。
柚「だって、恐いでしょ?オレが。少しの殺気でビビってたもんね。口外したらどーなるかぐらい、分かるでしょ?」
ニヤッと意地の悪い笑みを浮かべて相手を少しばかり挑発するけど、赤髪は何も言わない。それどころか少し俯いていて表情すら確認出来ない。
…つまんね。
なんか、もっと威勢の良い奴を想像してたんだけど。噛みつくようにオレに楯突くやつ。
…そういう奴ほど捩じ伏せがいのあるっていうか。
何か喋るかと暫く待ったけど、何か喋るどころか顔を上げる気配さえない。
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