オレは、親衛隊隊長。

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ガラッ 「隊長!います……か……」 1人の可愛らしい男が扉を開けながら喋っているが、中を見た瞬間歯切れが悪くなった。 オレは読んでいた小説から目を離して男の子に向ける。 柚「…ん?どうしたの?」 ふわっと笑いかければ前にいる男の子は一気に顔を赤くする。 「いえっあの…生徒会の皆様に朝のご挨拶を………」 朝の挨拶とは親衛隊の決まり事みたいなもの。 生徒会は朝は必ず教師用の校舎に書類を渡しに行くのでそこを狙って挨拶するらしい。 オレは一回もしてないから知らないけど。 柚「そうだね…君が隊員を仕切って挨拶に行ってくれる?」 オレの頼みは、表向きではお願いだけど必ず返事はYESしか許さない。 てゆーかオレの頼みを断る奴なんか限られてる。 「あ、あのっ……」 オレはもう用はないというばかりに小説に目を向ければ再度話しかけられる。 仕方がないので男の子にもう一度目を向ける。 柚「…なにかな?」 「隊長は…一度も挨拶に出ていませんよねっ…良いんですか…?」 あぁ、そういうこと。 オレは仮にも生徒会の親衛隊隊長。だから挨拶に出ていないのをずっと疑問に思いつつも聞けなかったが、今は他に誰もいないのをチャンスとばかりに聞いてきたのか。 一応オレ隊員のみんなから慕われてるからさ。皆の前で聞いたもんなら「隊長の生徒会の皆様への愛を疑ってるのか」って責められるよね。 .
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