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父さんの実家というのは、けっこうな田舎だ。
僕は前に一度行ったことがあるらしいが、何せ幼稚園のころの話でよく覚えていない。
お祖父ちゃんとお婆ちゃんはずっと前に亡くなっているから、今は空き家の筈だ。
父さんいわく、人が長い間住んでないと家が駄目になってしまうから僕に見てきて欲しいらしい。
ホコリまみれとかだったらどうしよう。
仮にも自分が一週間滞在する家だ。
汚いところにずっと居るのは流石に気が引ける。
「やっぱ、掃除とかしなきゃ駄目かなあ……」
電車に乗って外の暑さから解放された僕は、窓の外の都会から田舎へ徐々に移り変わっていく景色を眺めながら呟いた。
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