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野々村は肘をつきながら顔を両手で覆った。
同様している。
永田は頬杖をつきながら時計を眺めていた。
少ししてチャイムが鳴った。
高2初の中間テストが始まる。
智也は答案用紙に名前を書き込み、問題に目を通した。
まったくわからない。
思わず吹き出した。
教師がこちらを見てくるのを感じてすぐに真顔に戻った。
妙なテンションが上がりながら問題用紙全体に目を通す。
気がついたら20分経過していた。
答えを書きこむシャーペンの音がクラスに響く中、智也の周りだけ無音だった。
まったくというかここからここまで微塵もわからない。
口が半開きになり、目の焦点が合わなくなってきた。
もういいよ。
どうでも。
全然勉強してねえし。
シャーペンを机の上に静かに置き、なげやりな目をしながら姿勢を崩した。
そして全く動かずにマイナスなオーラだけを放出し続けた。
その姿は魂が入った人間とは思えない。
空いてる席が寂しいから大きめの人形を置いてみましたってかんじである。
智也がじーっとしながら萎えているうちに一時間目のテストは終了した。
チャイムが鳴った瞬間に野々村や永田は「全然できねー!」と騒いでいた。
鈴本はクールな表情だったが、いつもより少し満足そうな表情だった。
智也はもはや動かなかった。
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