徹夜

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ジャンピングキックを食らった雄太は部屋からぶっ飛び、廊下の壁に背中から直撃した。 「ふごぉぉ…。」 雄太は腹を抱えながら廊下に横になった。 「俺、スタディがあるから。」 智也は雄太に目もくれずに机の上にある漫画を片付け始めた。 1巻から順に本棚に入れていく。 24…25…26……26はちょっと待て。 26巻はしまわず、手に取ったまま学習机についた。 そして…途中から開いた。 26巻は最後まで読まないと… やっぱ気になって勉強がはかどらないからな。 早く勉強してーなー。 でも勉強を円滑に進めるためには仕方がないことなんだ。 好きで漫画を読んでるわけじゃない。 前に進むために読んでるんだ。 これは俺がテストでいい点を取るためのステップなんよ。 そう思うと、もはやこれが勉強の一環なんじゃねえの? つまりこれは勉強…。 俺は勉強してるのか。 あ、読み終わった。 ………… 27巻…ちょっとだけ。 あーやっぱサトリつえーな。 インパクトとか昔流行ったな。 よく友達にインパクト!とかやったもんだよ。 あのころは若かったな。 やべ、はまっちまってる。 完全にワンピースの世界に入ってる。 でもそろそろサトリがやられるところだから、ここだけ読んだらやめよ。 ルフィがサトリを押さえて動けなくしてー、 からのサンジ君が新技で倒すんよね。 名前は確かなんやったっけな? こ…こ… 「粉砕(コンカッセ)だ馬鹿!!!!」 「ふごおぁぁぁぁぁ!!!」 雄太の渾身のかかと落としが智也の頭に直撃した。
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