7章

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「どう思います?神堂部長」 「蓮なんでヤらないの?」 松田さんの口からヤらないの?なんて言葉が…… その前に周りに聞こえちゃうよ。 二人に攻められる蓮を横目でちらっと見ると視線は下を向いたままで、絶対怒ってるんだろうなって思っていたら、 「好きすぎて手出せないんだよ」 蓮…… 私の心臓はキュンと痛くなって、今すぐここで蓮をギュッて抱き締めたくなった。 横を向いたままの蓮は耳を赤くし手の甲を口にあてて、 「大事にしたいんだよ」 と、小さい声で呟いた。 鼻の奥がツーンと痛くなって涙が出そう。きっと瞬きをしたら涙が落ちてしまう。 蓮が私をそう思ってくれることが何よりも嬉しかった。ヤるとかヤらないとかじゃなくて、蓮が私を大切にしてくれてたからなんだって。 涙を堪えようと下唇を噛み締めていると、テーブルの下にあった私の手を蓮が握った。 目を丸くして驚いていると 「お盆休みは俺と旅行だから覚悟しておいて」 と、小さい声で口元を右に上げニヤッと笑った。 お盆休み? その話、今初めて聞いたんだけど…… それってまた拒否権なしだよね。 でも嬉しい私は頬っぺたを緩めて微笑んでいた。
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