8章

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「あーお腹いっぱい」 夕食は見たことがない料理に圧倒的されて、私も蓮もお腹いっぱい満足に食べた。 部屋に戻ってベッドに横になるとワインを少し飲んだせいかちょっとほろ酔い気分。 「風呂入っていいよ」 「う……ん」 窓から入る温かい風が頬に当たり、今日一日海で遊んだからか眠たくなっていた。 「入らないなら無理矢理脱がせて一緒に入らすよ」 ガバッと勢いよく起きて、 「入る。今入ります」 「俺としては一緒に入りたいんだけど」 「それはお断りします」 せっかくウトウトとしていたのに蓮のあの意地悪な顔で一気に目が覚めた。 ゴージャスなお風呂に入り、湯船に浸かると日焼けした所が痛くて、水着の痕だけ白い。 「日焼け止め塗ったのにな」 私達はあの梨花の発言から今だまだな訳で…… 今日はきっと……なんて密かに心の準備をしている。 付き合って4ヶ月ちょっと。蓮のいろんな仕草や言葉に、淡い恋をしている中学生みたいにドキドキさせられて、一緒にいればいるほど私は蓮に溺れていく。 蓮はどうなのかな? そんなことをぼんやり考えていると 「寝てんの?」 「お、起きてるよ」 蓮の声でびっくりして口元までお湯に浸かる。 「いつまで入ってんの?のぼせるよ」 私そんなに長く入ってた? 「今上がるね」 蓮の姿が見えなくなったのを確認して私は上がった。 バスローブを着て半乾きの髪のまま出て行くと、いつものようにドライヤーを持って待っている蓮がいた。 そんな姿に私はいつもドキッとさせられて、蓮の優しさに満たされる。 乾かすのが終わると 「俺入ってくるから」 とバスルームへ向かう蓮の広い背中を見てギュッと胸が高鳴った。
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