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「蓮……あの……何か履いた方が……」
いつもの風呂上がりならスウエットの下を履いたり、パジャマのズボンを履いたりしているのに、南国に解放されたせいなのか……
ボクサーパンツだけってのは目のやり場に困る。
「暑いから」
暑いのはわかるよ。私だって暑いし。
でもセクシー姿の蓮はまるで裸にしたい男性と書かれた雑誌の見出しに出てきそうな感じで……
こんな彼氏を持つ自分の容姿が惨めに思ってしまう。
「いやらしいこと考えてる?」
「別に」
蓮は絶対私の心を読み取れるんだ。
なんてバカなことを考えながら窓際のソファに座っていた。
私に言われたからかバスローブを着た蓮が、ビールの缶をプシュッと開けて飲むと
「美優も飲む?」
と、言われビールを受け取り間接キスで一口だけ飲んだ。
おいしい……
でもこれ以上はもう飲まない。
「飲まないの?」
「うん」
ビールをテーブルに置いた蓮が立ち上がり、私は蓮の行動を見ていたら
「ベット行こう」
と私を抱き上げた。
「うわっ」
ふわっと浮き上がりまたしてもお姫様抱っこをされていて。
私の心臓が激しく動き出した。
部屋の電気が消され、月明かりの中、蓮が妖艶な笑みを浮かべる。
静かな部屋は窓から規則正しく波打つ音が聞こえるだけ。
ベットに沈められた私は覆い被さっている蓮の目を見ると蓮も真っ直ぐ私を見ている。
「抱いていい?」
緊張と蓮の美しさに声が出ず、私は首を縦に振るのが精一杯だった。
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